ネタバレあり映画『三度目の殺人』の感想。ねぇ、結局誰が殺したの?

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公開初日の2017年9月9日(土)に、映画『三度目の殺人』を見てきました。
http://gaga.ne.jp/sandome/

ヴェネチア国際映画祭に出品されたということですが、こんなに難しい映画、海外のみなさんは本当に理解できたのでしょうか?

と、思ってしまうぐらい、1度でスッキリ理解するのがとてもむずかしい映画です。

ひとことでいえば

釈然としない!

本当はこうだったんじゃないの? こうもとらえられるかも?というふうに

見終わってからが、映画の本当の始まりだから。

特に、結末の部分は、どうとらえればいいのか・・・

主演の福山さんが、撮影中に「ねぇ、役所さん。本当は殺したの?殺してないの?どっちなの?」と、役所広司さんに詰め寄った、なんて話もありましたが

私も同じ気持ちです。

ねぇ。役所さん、どっち?

予告編

予告編を見る限り、素早い展開で、終始ドキドキするのかなー?と感じていましたが

実際は、かなり丁寧に描かれている印象でした。

ところどころ、この話は、なんのための伏線だったのか、わからなかった部分をのぞいては。

映画『三度目の殺人』の主要キャスト

弁護士 重盛(しげもり)・・・福山雅治

殺人犯? 三隅高司(みすみたかし)・・・役所広司

被害者の妻 美津江(みつえ)・・・斉藤由貴

被害者の娘 咲江(さきえ)・・・広瀬すず

弁護士 摂津(せっつ)・・・吉田鋼太郎

重盛の父(元 裁判長)・・・橋爪功

重盛の部下 川島・・・満島真之介

役所広司さんの、演技力、眼力も凄まじいものがありますが

斉藤由貴さんも素晴らしいです。

最近不倫疑惑などでスポットがあたっていますが、女優としてもっと評価したい。

でも、現実と重なるようなセリフがいくつかあって、ネタか?と思って、映画のストーリーとは無関係に、心の中で笑っちゃいました。

映画『三度目の殺人』をつくったのは、誰?

監督・脚本は、是枝裕和(これえだ ひろかず)さん。

2013年に、福山雅治さん主演の『そして父になる』の監督をつとめた方です。
http://www.kore-eda.com/

映画『三度目の殺人』のあらすじ

勝つことを第一目標に掲げる弁護士の重盛(福山雅治)は、殺人の前科がある三隅(役所広司)の弁護を渋々引き受ける。クビになった工場の社長を手にかけ、さらに死体に火を付けた容疑で起訴され犯行も自供しており、ほぼ死刑が確定しているような裁判だった。しかし、三隅と顔を合わせるうちに重盛の考えは変化していく。三隅の犯行動機への疑念を一つ一つひもとく重盛だったが……。

https://www.cinematoday.jp/movie/T0021814

映画『三度目の殺人』の謎とは? ※ネタバレ注意

三隅(役所広司)は、30年前に殺人で有罪になり、30年間の刑期を終え出所してきました。

(偶然なのか必然なのか、わざとなのか知りませんが、そのときの裁判長が、重盛(福山雅治)の父親です)

その三隅が、なぜ二度目の殺人を犯したのか?

殺人の動機はなんなのか?

ここは、誰もが感じる謎の部分です。

そもそも、目撃証言もなく、証拠もなく、三隅の供述だけで起訴されています。

弁護士としては「認めなければ起訴されなかったかもしれないのに」と、思うのは当然かと。

とりあえず、死刑ではなく、無期懲役にもっていければそれでいいから、と

司法修習生時代の同期である摂津(吉田鋼太郎)に頼まれ、重盛はイヤイヤ引き受けた事件でした。

接見室でのやり取りは、見どころのひとつ。

なにしろ、役所さんの出番は、ほぼ接見室ですから。

あんな狭いところにいるのに、本当に存在感の大きい方です。

しかし、話が進んでいくに連れ、私たちスクリーンのこちら側の人間は、弁護士の重盛とともに、三隅に振り回されていきます。

え?お金欲しくて殺したんじゃなかったの?

え?え? 被害者の妻に、お金もらって殺人を依頼されたの?

あげくのはてに「殺していない」と言い出す始末。

誰もが「真実を知りたい」と思っているのに

映画の中では「本当のことなんてどうでもいい」というセリフが飛び出してくるし

「ここには真実なんてない」だとか

本当の争点は、殺人の動機でも、真実の殺人者でもなく

「裁き」をくだすのは、誰なのか? という部分にあるようでした。

儀礼的な話でいえば、裁判員だったり裁判官だったりするのですが

映画の中では、三隅自身が三隅に裁きをくだすために、重盛を踊らせたのかなと、私は解釈しました。

このあたりは、終盤の重要なポイントになってくるので、あえてネタバレないでおきたいと思います。

え?これはどうしたの? どうだった?という「謎」は、いたるところに出てくるのですが

それを、一緒に映画を見た人と話し合うのも楽しみのひとつですから

ここでは書かずにおきますね。

映画『三度目の殺人』の隠れたメッセージ

私の本当に、個人的な感想ですが

この映画のキーワードは「父」です。

父としての重盛。

重盛の父。

父としての三隅。

そして、被害者の娘の父。

被害者の娘のことを、自身の娘に重ね合わせた三隅。

など。

私は女ですから、「父性」といったものに言及するつもりはありませんが

映画の中で、十字架は、重要なアイテムです。

十字架といえば、天にまします我らの父よ・・・ということで

ここでもがでてくるのですよね。つまり神。

脚本を書いた是枝さんは、この映画をとおして、どういうメッセージを伝えたかったのか。

それを読み解くための、重要なキーワードのような気がしています。

裁きをくだすのは人間ではなく、神(父)であるということなのでしょうか。

被害者の娘 咲江の真意

被害者の娘である咲江(広瀬すず)。

三隅に殺された(とされる)被害者は、咲江の父親です。

ですが、実は、その父から性的暴行を受けていたと、重盛に告白します。

自分が考えていた「父親を殺したい」という気持ちが、三隅に伝わった。

だから、殺してくれたのだと。

そのことを、公判で証言したいと申し出ました。

咲江は、なぜ、三隅をかばうような発言をしたのでしょう?

自分が好奇の目にさらされるかもしれないのに。

私は、被害者の娘である、咲江が、二度目の殺人の本当の犯人だと思っていますが、そこは明らかにはなっていません。

もしかしたら、咲江も自分自身を裁きたかったのかも。

映画『三度目の殺人』忘れちゃいけないキーワード

※役所さん、福山さん、広瀬すずさんの三人、検察、弁護士、裁判官の3、三隅の三(苗字に三が!)

ピーナッツクリーム

十字架

以上、3つのキーワードを覚えておいてくださいね。

三度目の殺人は、いつ起きた?

三隅は、二度目の殺人で逮捕され、起訴されています。

まぁ、本当に、三隅が殺していればの話ですが・・・そこはうやむやなままでした。

では、映画タイトルにもなっている、三度目の殺人は、いつ実行されたのか。

私は、死刑判決がくだった瞬間だと思っていますが

その死刑判決という裁きになるように踊らされた重盛を、三番目の殺人者とみるのか

自らを死刑に追い込むように計画してきた三隅本人を、三番目の殺人者とみるのか

これはもう、見た人の自由な解釈によるものでしょう。

ここが私の釈然としない部分でもあるのですが・・・

映画ポスターが、役所さん、福山さん、広瀬すずさんの三人であることや、三人が三人とも、ある同じ動作(しぐさ)をとった場面などを見ると、福山さんなのかな~なんて思ったりもします。

素朴な疑問。真実は追求されないの?

公判の場面において、三隅が「殺していない」と証言をくつがえすシーンがありました。

こんなの大問題だと思うわけですよ。

起訴した検察側にとっても、弁護側にとっても、裁判官にとっても。

でも、暗黙の了解のなか、争うのはやめておきましょうって感じで、話は進んでいくんですね。

真実を明らかにせず、とりあえず決着させる合理的な部分が、なんだかモヤっとしましたが

いまの日本ってこういう感じで大丈夫?っていう、メッセージでもあるのかも。

映画『三度目の殺人』まとめ

謎の多い三隅を、数秘学でひもといてみます。

三隅の誕生日は、1959年(昭和34年)12月1日。

裁判の中で、そう言っていました。

ライフパスナンバー1
バースデーナンバー1
マチュリティナンバー1

創造主であり、絶対の存在、崇高な信念に正義感。

おぉ・・・三隅っぽい。

この数字を見ると、やはり三隅は、被害者の娘である咲江のために、殺人を犯したのか?とも、思えてきます。
このあたりは、見る人の解釈で楽しみましょう。

最後に

見に行くなら一人ではなく、誰かと一緒に行くことをおすすめします。

そして、一瞬たりとも、画面から目を離してはいけません!

なので、シアターに入る前に、トイレはちゃ~んと、済ませておいてくださいね。

映画『三度目の殺人』を見る前に、こちらもどうぞ

『三度目の殺人』福山雅治&役所広司&是枝裕和監督 単独インタビュー
https://www.cinematoday.jp/interview/A0005656

投稿者プロフィール

長谷川さん
長谷川さん
長谷川亜由美|女性向けサイトリニューアルの専門家|webと文章のコンサルタント|株式会社AKDを経営して17年目の人。

暮らしのちょっとした不便をなくし、快適で豊かにするための商品を比較したり、検証したりするのが趣味。オススメ飲食店の紹介や、映画をもっと楽しく見るためのレビューも得意。どうせなら記録に残そうと思い、自分で書いているのがこの雑記ブログ「長谷川さんが書いてます」です。