映画『劇場版コード・ブルー』の感想。10年の集大成からなる普遍のメッセージ。変わったものと、変わらないものは何か?
公開初日となる、2018年7月27日(金)に、映画『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』を見てきました。
2008年7月に放送されたドラマから、ちょうど10年。
大好きだったドラマの集大成ということで、敬意を払う意味で、初日の一番上映を予約。
まだ、なんとなく、気持ちの整理ができていない状態ですが、感想をお届けしたいと思います!
はじめに、ひとことだけ言っておくと・・・
藍沢耕作を始めとする主要キャスト5人が『コード・ブルー』とともに、10年を歩み、成長してきたことが、染み渡る映画になっていました。
映画というか、大スクリーンで見るテレビドラマが、正しいですかね。
ドラマ発なので、それでいいと思います。
もう、映画ならではのスケールの大きさとか、演出とか、そう多くは求めない!
ただ・・・ひとつだけ、どうしても気がかりなこともあって、100%スッキリしたわけではありません。
誰か教えてー!
という気持ちですね。
とはいえ、これから見に行く予定の方、目が腫れるぐらい泣くかもしれませんよ。
私も、ハンカチがビチャビチャでした。チカラワザの演出にやられた感じです。
覚悟して行ってくださいねー!
※以下、多少のネタバレはありますが、これから映画を見る方でも、映画を楽しんでいただけるように書いていくつもりです。
映画『劇場版コード・ブルー』の予告動画
ちょっとね、この予告映像は、おおげさな気がしましたね。
「連続する未曽有の大事故」とあるけど、同じぐらいの大事故が、同じぐらいのボリュームで描かれていたわけではないです。
大事故が連続するから、医者もヘリも足りないどうしよー! みたいなのを期待していくと、がっかりします。ご注意ください。
あくまでも、成田空港での事故は前菜にすぎず、海ほたるへのフェリー衝突事故がメインディッシュです。
ただし、前菜とはいえ、ストーリーの終盤までつなげていくための、大事な味付けなのは、間違いありません。
映画『劇場版コード・ブルー』の主要キャスト
『コード・ブルー』とは、ドクターヘリのある、翔陽大学附属北部病院 救命救急センターを舞台に、5人の主要キャストたちをおいかける、成長物語です。
サードシーズンからは、あらたに4人のフェロー(研修医)たちが加わり、指導していく立場としての葛藤も加わりました。
フライトドクター 藍沢耕作(あいざわこうさく)・・・山下智久
フライトドクター 白石恵(しらいしめぐみ)・・・新垣結衣
フライトドクター 緋山美帆子(ひやまみほこ)・・・戸田恵梨香
フライトドクター 藤川一男(ふじかわかずお)・・・浅利陽介
フライトナース 冴島はるか(さえじまはるか)・・・比嘉愛未
フェロー 横峯あかり(よこみねあかり)・・・新木優子
フェロー 名取颯馬(なとりそうま)・・・有岡大貴
フェロー 灰谷俊平(はいたにしゅんぺい)・・・成田凌
フライトナース 雪村双葉(ゆきむらふたば)・・・馬場ふみか
映画『劇場版コード・ブルー』から伝わるメッセージとは
冒頭の約3分は、ドラマ版を振り返ります。
ドラマでは、おなじみのシーンです。
そして、ドラマ サードシーズンの終了から3ヶ月後。
劇場版は、ここからスタートします。
実際には、サードシーズンの最終回から、約9ヶ月が経っているわけですが
そのタイムラグを感じることなく、スムーズにドラマの世界に入り込むことができたのは
ドラマ サードシーズンの撮影終了から、約1ヶ月半で映画の撮影が始まったことが、大きいかもしれません。
もちろん、役者のみなさんのコード・ブルーに対する熱意も、そうさせているでしょうね。
救命救急センターの日常に触れ、いつもの空気を味わったところで、準備運動は終了!
成田空港での緊急着陸事故の現場へ向かうドクターたち。
大胆にヘリの音を感じられるのは、劇場ならでは、ですね。
自宅のテレビでは、こうはいきません。
心臓にまで響き渡る重低音が、現場の悲惨さを想像させます。
そして、トロント大学へ移動する準備のため、現地へ行っていた藍沢耕作が、かっこよく登場するのが、この成田空港での事故現場。
このシーンは、見落とし厳禁です!
藍沢耕作の登場のためだけに作られたかのような、ハデなシーンにも感じられますが
ここで出会ったひとりの患者 富澤未知(とみざわみち)は、ストーリーに大きく関わってきます。
医者だけでなく、ヘリで運ばれた患者たちの人生も含めて、丁寧に描くのが、コード・ブルーの演出の特徴ですね。
これは、ドラマ版のころから、変わっていません。
名もなき患者・・・のような扱いがないところが、ドラマに深みをもたせていたのではないかなと、思っています。
いくつかのエピソードを、織り交ぜながら、ストーリーはじょじょにクライマックスへと向かうのですが・・・
それは、劇場でぜひ楽しんでいただきたいです。
浅いエピソードが詰め込みすぎで盛りだくさんな印象もありますが、それでもメッセージは、一貫していました。
そのメッセージとは
大切な人に、大切な思いを、言葉にして伝えよう
ってことです。
とくに、藍沢耕作たち5人に関して言えば、わざわざ言葉にしなくても、わかりあえるだけの関係性を築いてきているのに、それでもあえて言葉にするところに、大きな意味があると感じます。
このメッセージは、映画を見るすべての人に受け取ってもらえたらいいですね。
人は、言葉にしたくてもなかなかできなかったり、伝えたい思いを伝えられないままに、死に別れてしまったりすることもありますよね。
そんな後悔をかかえて生きていくのは、けっこうつらいものでしょう。
生きているうちにしかできないことがあるとしたら
それは、どんなカタチであれ、思いを伝えるということなのかもしれません。
数々のエピソードが、すべて「伝える」ということを軸に描かれているので、そのあたりもぜひ、心にとめていただければなと、思います。
ただ、セリフが多すぎて、そのへん、辟易としたのも事実です。
もう少し、見ている側に考えさせる脚本にだとか、演技で見せるとかになっていても、よかったんじゃないかなーと。
映画『劇場版コード・ブルー』の象徴
10年間、変わらずに、ドラマを盛り上げてきてくれたのが、ミスチルの『HANABI』。
主題歌です。
ドラマでは、わりとシリーズが重なるたびに、主題歌が変わることもありますが、コード・ブルーはずーーーっと同じ。
この「変わらない」ということが、ある意味、医療とリンクしているように感じています。
医者の仕事は患者を救うこと。
それは、10年前のコード・ブルーでも、同じでした。
ある意味、変わらないことの象徴が、HANABIに託されているのかもしれませんね。
逆に、変わったこともあるなぁと思ったのが、藍沢耕作たち5人の表情です。
10年前は、新人のフェローという立場で、みんながみんな、若さにあふれていました。
とんがったり、ないたり、くやんだり、こわかったり
そういうリアルな20代の感情を、ストレートに表現していた彼ら。
10年たって、たくさんたくさん傷ついてきたからこその強さを、表情に出せていたのが、とても印象的でした。
映画『劇場版コード・ブルー』に残された謎
これから映画を見る方で、この謎がわかりましたら、ぜひとも私に教えていただきたいのです!
海ほたるへの、フェリーの衝突事故現場で、藍沢と白石が助け出した、パイプの突き刺さったお父さん。
10年ぶりに再開した息子に「みじめに1人で死ねよ!!!」と、言われたお父さん。
息子の杉原剛志(すぎはらたけし)には、そんな悲しい言葉じゃなく、本当に伝えたかったことが、ほかにありました。
果たして、あのお父さんは助かったんでしょうか。
そして、息子さんは、伝えたい思いを言葉にすることができたのでしょうか。
そこだけが、どうしても心残りというか、なんつーか、釈然としないのです。
スッキリしないのは、このせいです!
『コード・ブルー』のこれから
10年の集大成ということですが、これからどうなるんでしょうね。
また、みんなが集まって、ドラマが始まるのか
『踊る大捜査線』のように、劇場版が何作か続いていくのか
現時点では、まったくわかりません。
でも、10年来のコード・ブルーファンとしては、あまり時間をおかないうちに、もう2作ぐらいは見せてほしいかな。
藍沢耕作が、あんまりトシとっちゃうのを見るのも、嫌なので(笑)
パンフレットは買うか?買わないか?
そりゃー買いです!
なかなか、見ごたえのあるパンフレットでした!
映画館に行かれましたら、ぜひお買い求めくださいねー。
700円です。
ドラマ版 コード・ブルーはFODへ
まだ、ドラマを見ていない方は、ぜひ、全シリーズ(ファーストからサードまで)をご覧になってから、劇場版を見ることを、強くオススメします。
ファースト以外は、FODで、配信中です。
コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- セカンドシーズン 全11話
http://fod.fujitv.co.jp/s/genre/drama/ser4165
コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- サードシーズン 全10話
http://fod.fujitv.co.jp/s/genre/drama/ser4c23
劇場版を見るなら、Amazonプライムビデオへ
Amazonプライムの会員であれば、ぜひ。2時間8分です。
https://amzn.to/2rpVOkF
オマケ
劇場版『コード・ブルー―ドクターヘリ緊急救命―』オリジナル・サウンドトラック
劇場版コード・ブルー ―ドクターヘリ緊急救命― ノベライズ本
ミスチルのライブも♪
投稿者プロフィール
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長谷川亜由美|女性向けサイトリニューアルの専門家|webと文章のコンサルタント|株式会社AKDを経営して17年目の人。
暮らしのちょっとした不便をなくし、快適で豊かにするための商品を比較したり、検証したりするのが趣味。オススメ飲食店の紹介や、映画をもっと楽しく見るためのレビューも得意。どうせなら記録に残そうと思い、自分で書いているのがこの雑記ブログ「長谷川さんが書いてます」です。