飲食店で、思わず注文したくなるネーミング6つのポイント
こんにちは。長谷川亜由美です。
今日は「私が」思わず注文したくなるメニュー名の付け方、つまりネーミングについて書いてみます。
1)文字数
よく聞かれます。何文字までがいいでしょうか、って。
ものごとを伝えるには、相応の文字数というのがあります。
文字数に囚われすぎて、伝えるべきことが伝わらないのは、本末転倒。
長い、短いではなく、必要な情報がちゃんと盛り込まれているかどうかを意識したほうがいいですね。
なので、文字数関係ないです。何文字でもよし。
ただし、余計なことが多く、冗長になっているものはよくないでしょうね。
2)新規性、限定性がわかるもの
新商品だったり、いましか食べられない! ということがわかってしまうと、ついつい注文してしまいます。
たとえば・・・
- 1年のうちたった2週間しか手にはいらない○○の○○焼き
- ごめんなさい!がんばった結果なんとか限定3食ご用意できた、山形牛のステーキ丼
はい。頼まないわけがないです。
3)3W1H
通常は5W1Hですよね。その中の3W1Hがいくつか盛り込まれていると、つい頼みたくなります。
When(いつ) Where(どこで) What(何を) How(どのように)
たとえば・・・
【いつ】 採れたて、朝採り、3年熟成
【どこで】 千葉県の○○さんがつくった、北海道産、自家製
【何を】 素材の名前
【どのように】 2時間かけて煮込んだ、焼いた、蒸した、ゆでた、目の前でさばいて、やわらか、まるごと、盛り合わせ
4)食べたときの幸せが想像できるかどうか
五感のうち、とくに聴覚と触覚を取り入れると、幸せが近づきます。
たとえば・・・
- クチにしたときの擬音語や擬態語を入れる
- シャキシャキ、つるるん、ジュワっと、熱々、キーンとする冷たさ、もちもち、トロットロ
個人的には「口のなかに幸せが広がる」みたいな、曖昧なのは好きじゃないです。
あるお店の実際のメニューです。
「鶏っとろ煮」
とりがトロトロに煮こまれていることがすぐにわかりますよね。
こういう造語もポイントが高いとおもいます。
5)キャッチコピーがある
あるとないでは、食欲への影響が天と地ほど違うことがよくあります。
ただし、キャッチコピーは、曖昧に書いてしまうと逆効果。
「暑い夏がやってきた!」みたいな・・・だからなんですか的な・・・・
こういうのは、むしろないほうがいいです。
プロの領域に踏み込まなくても書けるコピーとしては、お客さんの感想をそのまま使うことでしょうね。
- 「妻の料理をめったに褒めないオレがうなった!」
- 「8日連続で食べに来てもまだ飽きない。それほどクセになる」
6)どんな料理か、まったく想像できないもの
過去の経験でいうと「やせうま」「ハトシ」など、聞いたこともなく想像もできないものは「これなんですか?」と聞きたくなります。
その説明のされ方によっては、注文するかもしれないし、しないかもしれません。
だからけっこう博打かも?
実際に、メニュー名からはまったく味が想像できない飲み物がありました。
しかも注文してクチにするまで、正体を絶対に教えてくれないんです。
これもけっこう博打ですよね。
美味しければいいけど、美味しくなかったら・・・
最初からその材料だと知ってたら頼まなかったよ、みたいなこともあるかもしれないです。
(私はコレ、飲みましたけど、残念ながらいまひとつでした)
オマケ(私の中の)NGワード
【まぼろしの】
幻だったら、いま目の前にもあるはずがないので、多用されるとイラっとします。
それよりも「7ヶ月ぶりに入手できました!」「当店初登場!」
のほうが、リアルだと思います。
【今日のイチオシ】
なぜイチオシなのか、理由がわからないものはNGです。
今日しか食べられないとか、数量限定だったりするなら 当然OKです!
【店長オススメ】
イチオシと同じです。
なぜ、すすめているのか、理由が見えないものは、あんまり好きではありません。
たとえば、今日中に消費しないと、廃棄処分するしかないので、なんとか売ってしまいたい。
粗利益率が高いので、これをすすめたい。
そんな、店都合が見え隠れすると、嫌悪感をいだきます。
たとえ本音がそうであっても、私には関係のないこと。
店都合を押し付けた時点で、敗北決定。
正当に私が選ぶ理由があれば、店の勝利。
お店の方は、売りたいものを作るのではなく、お客さんに食べてほしいものを作ることが、大事だと思うんです。
まとめ
すべてのメニューが上記の6ポイントを満たしていたら、それはそれでメリハリがなく、選びにくくなって逆効果だと思います。
特にアピールしたい商品だけにしぼったほうが目立ちますよね。
仕事柄、タイトルやキャッチコピーを多数書いているので「私」だったらこうするのに!みたいなことは、よく感じます。
メニュー名ひとつで、売上は確実に変わるでしょう。
だって、消費者の私が、メニュー名に左右されているのですから、間違いありません。
よく「顧客目線」って言いますけど、言ってるだけであんまりその目線になれてないことって、よくあります。
お店側にしか通用しないヘンなこだわりを押し付けられても、こっちは困ります。
顧客目線を知りたければ、自分が「お客さん」になってみることですよね。
以上、「長谷川亜由美が思わず注文したくなるネーミング」でした。
そうそう。
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