日本語の間違い研究室○か×か
こんにちは。長谷川亜由美です。
普段よく使っちゃうけど、間違いなのか正しいのかわからない日本語の数々。 ここでは、とりあえず○か×かを調べることができます。 よろしければご活用ください!
ただ、言葉は進化していくものなので、間違いとされていたものが一般化されていくこともあります。日常会話レベルであれば、あまり「正しさ」にこだわりすぎず、伝わることを重視したいと、個人的には思っているところです。
愛想を振り撒く(あいそをふりまく)
愛想を振り撒く(あいそをふりまく)・・・×
愛嬌を振り撒く(あいきょうをふりまく)・・・○
平成17年度「国語に関する世論調査」では
http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/h17/
次のような結果が出ています。
「愛想を振り撒く」を使う・・・48.3%
「愛嬌を振り撒く」を使う・・・43.9%
当たらずとも遠からず(あたらずともとおからず)
当たらずとも遠からず(あたらずともとおからず)・・・×
中らずと雖も遠からず(あたらずといえどもとおからず)・・・○
足下をすくう(あしもとをすくう)
足下(あしもと)をすくう・・・×
足を掬う(あしをすくう)・・・○
意味:相手のすきをついて、卑怯なやり方で失敗させる。
呆気に取らせる(あっけにとらせる)
呆気に取らせる(あっけにとらせる)・・・×
呆気に取られる(あっけにとられる)・・・○
意味:自分が驚き呆れること
合いの手を打つ(あいのてをうつ)
合いの手を打つ(あいのてをうつ)・・・×
合いの手を入れる(あいてのてをいれる)・・・○
痛い腹を探られる(いたいはらをさぐられる)
痛い腹を探られる(いたいはらをさぐられる)・・・×
痛くもない腹を探られる(いたくもないはらをさぐられる)・・・○
意味:やましいことはないのに、疑いをかけられること。
一言居士(いちげんきょし)
一言居士(いちげんきょし)・・・×
一言居士(いちげんこじ)・・・・○
一同に会する(いちどうにかいする)
一同に会する(いちどうにかいする)・・・×
一堂に会する(いちどうにかいする)・・・○
意味:多くの人が目的をもって、ひとつの場所に集まる
言うに言えない(いうにいえない)
言うに言えない(いうにいえない)・・・×
言うに言われぬ(いうにいわれぬ)・・・○
意味:言葉では表現できない
ただ、「言うに言えない」も、一般的になっているので、誤りとは言い切れませんね。
いやがおうでも盛り上がる(いやがおうでももりあがる)
否が応でも(いやがおうでも)盛り上がる・・・×
弥が上にも(いやがうえにも)盛り上がる・・・○
「いやがおうでも」の使い方:無理やりとか、承知してもしなくてもと強制するときに
「いやがうえにも」の使い方:すでにそうなのに、さらにその上をいってとか、ますます、さらに というようなときに
うっとおしい
うっとおしい・・・×
鬱陶しい(うっとうしい)・・・○
上前をかすめる(うわまえをかすめる)
上前をかすめる(うわまえをかすめる)・・・×
上前をはねる(うわまえをはねる)・・・○
上には上がいる(うえにはうえがいる)
上には上がいる(うえにはうえがいる)・・・×
上には上がある(うえにはうえがある)・・・○
意味:最高だと思っていてもさらに優れたものがある
でも、人物に対して使うときは、上には上がいるって、よくききますね。
うるおぼえ
うるおぼえ・・・×
うろおぼえ・・・○
笑顔がこぼれる(えがおがこぼれる)
笑顔がこぼれる(えがおがこぼれる)・・・×
笑みがこぼれる(えみがこぼれる)・・・○
おぼつかぬ
おぼつかぬ・・・×
おぼつかない・・・○
汚名挽回(おめいばんかい)
汚名挽回(おめいばんかい)・・・×
汚名返上(おめいへんじょう)・・・○
名誉挽回(めいよばんかい)・・・○
多いに(おおいに)
多いに(おおいに)・・・×
大いに(おおいに)・・・○
使い方
大いに飲む=こころおきなく飲む
大いにけっこう=心からそう思っている
可能性は大いにある=可能性が高い
思いもつかない(おもいもつかない)
思いもつかない(おもいもつかない)・・・×
思いも寄らない(おもいもよらない)・・・○
恩を着せる(おんをきせる)
恩を着せる(おんをきせる)・・・×
恩に着せる(おんにきせる)・・・○
意味:たいしたことでもないのに、ことさら相手のためにしたかのように言うこと
似ている言葉
恩に着る・・・恩を受けてありがたく思う
恩を売る・・・あとで自分に利益が戻ることをもくろんで人を助ける
ややこしい・・・(笑)
お求めやすい(おもとめやすい)
お求めやすい(おもとめやすい)・・・×
お求めになりやすい(おもとめになりやすい)・・・○
押しも押されぬ(おしもおされぬ)
押しも押されぬ(おしもおされぬ)・・・×
押しも押されもせぬ(おしもおされもせぬ)・・・○
髪を丸める(かみをまるめる)
髪を丸める(かみをまるめる)・・・×
頭を丸める(あたまをまるめる)・・・○
意味:頭髪を剃ること
感違い(かんちがい)
感違い(かんちがい)・・・×
勘違い(かんちがい)・・・○
金にまかす(かねにまかす)
金にまかす(かねにまかす)・・・×
金に飽かす(かねにあかす)・・・○
意味:金銭を惜しまないで使うこと
肩をなでおろす(かたをなでおろす)
肩をなでおろす(かたをなでおろす)・・・×
胸をなでおろす(むねをなでおろす)・・・○
意味:安心する、ほっとする
混同しやすい言葉:肩の荷をおろす(かたのにをおろす)
きずなを深める(きずなをふかめる)
きずなを深める(きずなをふかめる)・・・×
きずなを強める(きずなをつよめる)・・・○
脚光を集める(きゃっこうをあつめる)
脚光を集める(きゃっこうをあつめる)・・・×
脚光を浴びる(きゃっこうをあびる)・・・○
意味:世間から注目されること
混同しやすい言葉:注目を集める
苦汁を味わう(くじゅうをあじわう)
苦汁を味わう(くじゅうをあじわう)・・・×
苦渋をなめる(くじゅうをなめる)・・・×
苦汁をなめる(くじゅうをなめる)・・・○
苦渋を味わう(くじゅうをあじわう)・・・○
苦渋の決断(くじゅうのけつだん)・・・○
苦汁の意味:苦い経験
苦渋の意味:苦しみ悩むこと
口数が減らない(くちかずがへらない)
口数が減らない(くちかずがへらない)・・・×
口が減らない(くちがへらない)・・・○
口を濁す(くちをにごす)
口を濁す(くちをにごす)・・・×
言葉を濁す(ことばをにごす)・・・○
意味:あいまいな言い方をしてごまかす
平成17年度「国語に関する世論調査」では、以下のような結果がでている。
口を濁す 27.6%
言葉を濁す 66.9%
どちらも使う 3.1%
わからない 2.4%
文化庁サイト
http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/h17/
けんけんがくがく
けんけんがくがく・・・×
けんけんごうごう・・・○
多くの人がやかましく騒ぎ立てる様子
かんかんがくがく・・・○
お互いに正しいと思うことを大いに議論する様子
「けんけんごうごう」と「かんかんがくがく」を、混同してしまった言葉のようです。
死ぬに死ねない(しぬにしねない)
死ぬに死ねない(しぬにしねない)・・・×
死んでも死にきれない(しんでもしにきれない)・・・○
敷居が低い(しきいがひくい)
敷居が低い(しきいがひくい)・・・×
敷居が高い(しきいがたかい)・・・○
意味:不義理をしたり、恥ずかしい思いをしてあわせる顔もなかったり、その人の家へ行きにくい
自分の実力よりも上回ることへのチャレンジや
分不相応で手が届かないものごとを表す場合
「敷居が高い」は、適切ではないようですが、よく使われますね。
例:あのお店は高級だから敷居が高い・・・×
情に深い(じょうにふかい)
情に深い(じょうにふかい)・・・×
情に厚い(じょうにあつい)・・・○
意味:相手を思いやる心が豊かであること
「情け深い」と混同しているのかも?
シュミレーション(しゅみれーしょん)
シュミレーション(しゅみれーしょん)・・・×
シミュレーション(しみゅれーしょん)・・・○
まぁ、日本語ではないですが(笑)
時期早尚(じきそうしょう)
時期早尚(じきそうしょう)・・・×
時期尚早(じきしょうそう)・・・○
意味:なにかを行うには、まだ時が早過ぎること
体調をこわす(たいちょうをこわす)
体調をこわす(たいちょうをこわす)・・・×
体調をくずす(たいちょうをくずす)・・・○
体をこわす・・・○
食べれる(たべれる)
食べれる(たべれる)・・・×
食べられる(たべられる)・・・○
いわゆる「ら抜き言葉」なので、誤り。
ほかにもこんなの。
見れる → 見られる
来れる → 来られる
他人事(たにんごと)
他人事(たにんごと)・・・×
他人事(ひとごと)・・・○
意味:自分には関係のないこと
血と涙の結晶(ちとなみだのけっしょう)
血と涙の結晶(ちとなみだのけっしょう)・・・×
血と汗の結晶(ちとあせのけっしょう)・・・○
手が負えない(てがおえない)
手が負えない(てがおえない)・・・×
手に負えない(てにおえない)・・・○
意味:自分のチカラではどうにもならないこと
二の舞を踏む(にのまいをふむ)
二の舞を踏む(にのまいをふむ)・・・×
二の舞を演じる(にのまいをえんじる)・・・○
「二の舞を演じる」と「二の足を踏む」を混同して、「二の舞を踏む」になっちゃったぽいですね。
願わくば(ねがわくば)
願わくば(ねがわくば)・・・△
願わくは(ねがわくは)・・・○
辞書をひくとき「願わくは」で掲載されていますが、「願わくば」でも完全に誤りではないようです。
念頭に入れる(ねんとうにいれる)
念頭に入れる(ねんとうにいれる)・・・×
念頭に置く(ねんとうにおく)・・・○
混同しやすい言葉:頭に入れる(あたまにいれる)
腹が煮え繰り返る(はらがにえくりかえる)
腹が煮え繰り返る(はらがにえくりかえる)・・・×
腸が煮え繰り返る(はらわたがにえくりかえる)・・・○
働き尽くめ(はたらきづくめ)
働き尽くめ(はたらきづくめ)・・・×
働き詰め(はたらきづめ)・・・○
意味:休みなく働くこと
早かれ遅かれ(はやかれおそかれ)
早かれ遅かれ(はやかれおそかれ)・・・×
遅かれ早かれ(おそかれはやかれ)・・・○
火蓋を切って落とす(ひぶたをきっておとす)
火蓋を切って落とす(ひぶたをきっておとす)・・・×
火蓋を切る(ひぶたをきる)・・・○
幕を切って落とす(まくをきっておとす)・・・○
使用例:戦いの火蓋が切られる。戦いの幕が切って落とされる。
ひざを交わす(ひざをかわす)
ひざを交わす(ひざをかわす)・・・×
ひざを交える(ひざをまじえる)・・・○
ふいんき
ふいんき・・・×
雰囲気(ふんいき)・・・○
稀に見ぬ(まれにみぬ)
稀に見ぬ(まれにみぬ)・・・×
稀に見る(まれにみる)・・・○
的を得る(まとをえる)
的を得る(まとをえる)・・・×
的を射る(まとをいる)・・・○
意味:うまく要点をつかむ
「当を得る(道理にかなっていることを意味する)」との混同から使われるようになったのかもしれません。ただ、的を得るは、よく聞きますね。
眉をしかめる(まゆをしかめる)
眉をしかめる(まゆをしかめる)・・・×
眉をひそめる(まゆをひそめる)・・・○
意味:不快な顔をすること
混同しやすい言葉:顔をしかめる
三日と空けず(みっかとあけず)
三日と空けず(みっかとあけず)・・・×
三日に上げず(みっかにあげず)・・・○
「毎日のように」という意味。
実際に三日かどうかを、指すわけではないので
二日に上げず、四日に上げず、のような言い方はしない。
例:三日に上げず電話をしてくる
見ると聞くとは大違い(みるときくとはおおちがい)
見ると聞くとは大違い(みるときくとはおおちがい)・・・×
聞くと見るとは大違い(きくとみるとはおおちがい)・・・○
話にきいていたことと、実際にみたことが違う、という意味なので「聞く」が最初にくる。
見かけ倒れ(みかけだおれ)
見かけ倒れ(みかけだおれ)・・・×
見かけ倒し(みかけだおし)・・・○
意味:外見は立派だけど、中身が伴わないこと
巡るめく(めぐるめく)
巡るめく(めぐるめく)・・・×
目眩く(めくるめく)・・・○
意味:目がくらむ、めまいがする
目線に立つ(めせんにたつ)
目線に立つ(めせんにたつ)・・・×
視点に立つ(してんにたつ)・・・○
目線で見る(めせんでみる)・・・○
目鼻が利く(めはながきく)
目鼻が利く(めはながきく)・・・×
目端が利く(めはしがきく)・・・○
意味:抜け目がないこと
面目が立たない(めんぼくがたたない)
面目が立たない(めんぼくがたたない)・・・×
面目が無い(めんぼくがない)・・・○
面目ない(めんぼくない)・・・○
意味:恥ずかしくて合わせる顔がない
面目が立つ(めんぼくがたつ)・・・○
意味: 名誉が保たれること
「面目が立つ」を、否定して、「面目が立たない」とは、言わないみたい。
やむおえず
やむおえず・・・×
止むを得ず(やむをえず)・・・○
意味:しかたなく
藁をも縋る(わらをもすがる)
藁をも縋る(わらをもすがる)・・・×
藁にも縋る (わらにもすがる)・・・○
意味:せっぱつまったときには、頼りにならないものまでも頼りにしたくなることのたとえ
藁をも縋る(わらをもすがる)は、「溺れる者は藁をも掴む(おぼれるものはわらをもつかむ)」と混同されて発生したことばらしい