こんにちは。

子供3人の子育てをしているライター桜井しおりです。

 

大切な家族が「鬱(うつ)」と診断されたら。

身近にいる者は、どう接すればいいのでしょうか?

 

ほんの些細な一言で悪化しないだろうか?

何も声をかけずに、そっとしておいたほうが良いのか

明るく元気に、いつもと変わらない雰囲気を作ったほうが良いのか

共に暮らす家族として、判断に迷う場面もありますよね。

 

そっとしておいたほうが良いとわかっていても、ついアドバイスをしたくなったり、

相手の態度や言動に苛立つことや

鬱になってしまった家族だけでなく、一緒に暮らす他の家族の負担になることもあるかもしれません。

 

 

そんな時にできる、簡単な方法があるんです。

 

今日は、私が鬱になった父から学んだ、家族にできることをお伝えします。

 

家族が鬱病を発症

私には鬱(うつ)症状で入院歴のある実父(現在70歳)がいます。

私が結婚してから20年間、父は一人暮らしをしています。

 

父が鬱になったきっかけは母(父からみて妻ですね)の他界。

1998年のことです。

実際には母の癌闘病中から発症していたのだと思いますが、鬱と医師に診断されたのは母の告別式の日でした。

 

告別式当日の朝、自殺を図ろうとした父を守るため、父の友人達が救急車を呼んだんですね。

到着したその救急車に、父はおとなしく自ら乗り込んでいきました。

 

 

告別式が終わり、私が向かった先は精神病院。

父が入院している隔離部屋は廊下から丸見えの場所にトイレとベッド、窓には鉄格子が設置されていたのを、今でもはっきりと覚えています。

とてもヒンヤリした印象で怖かった。

 

「いったい何をやっているんだ!しっかりしてくれ!」

「たのむから、ちゃんとして」

私の心は、父を責めるような感情でいっぱいでした。

 

鬱の本には、「心の風邪」「動きたくても動けないから焦らせてはいけない」

「怒らない」「責めない」などが家族の対処法として書いてあります。

わかります。

鬱になっている本人が一番つらいのだということも、焦らない、せかさないのが良いことも。

 

しかし私は、生きる意欲を失い、一日中寝て過ごす姿をかわいそうだとも、元気になってほしいとも思えず、色んな父の姿が嫌でしかたありませんでした。

 

一進一退を繰り返す中、父の症状が少しずつ回復していると感じるようになったのは、

鬱と診断されてから3年後。

私が第一子を出産して数か月が経ったある日のことです。

年末に帰省した私は、久しぶりの実家を見て衝撃をうけました。

 

荒れていたはずの庭に、花が植えてあったんです!

 

庭でじっと花を見ている私に、父が声をかけてきました。

「その花、可愛いでしょ。庭に花があると綺麗かなぁと思って、植えたんだよ」

 

鬱症状には、未来に希望がもてないつらさがあります。

花を見てキレイ、空を見て美しいと思えないつらさもあります。

 

そんな父が、花を買い育てようと思えるということは、ものすごく前向きな行動でした。

 

おそらく、孫ができたことで、生きがいや楽しみをみつけ、心境の変化がおこったのでしょう。

 

私はその花を見て、

父はきっと大丈夫だ。

そう思いました。

家族の鬱から20年

発症から3年後に花を植えた父ですが、

その5年後(発症後8年)、躁鬱(そううつ)の症状で強制入院をします。

 

鬱は本人がとてもつらいのですが、躁は周囲の人が大変。

躁(そう)の時の父は、常に興奮した状態で、大金を使い、自分は見張られていると言っては警察に行ったり、親族や周囲の人たちを巻き込み、強制という形でしか制止することができませんでした。

それが正しかったのかは今もわかりません。

しかし父は、この入院で自分の状況を理解したのか、その後は落ち着いて過ごすことが増えたようでした。

 

右肩上がりに回復したわけではありませんでしたが、発症して10年が過ぎた頃、

父は住み慣れた家と土地を手放し、新しい場所へ引っ越しをしました。

その時に言った父の言葉がとても印象に残っています。

 

「そろそろ自分のために生きてもいいかなぁ」

 

母が他界してから10年、父は、心の中の何かと戦っていたのかもしれません。

しかしこの10年は父にとって、「自分らしい生き方をしてもいいんだ」と思えるようになるために必要だったのでしょうね。

 

現在、鬱と診断されてから20年が過ぎました。

引っ越しをしてからの10年、絵画や英会話を習ったり、大好きな鉄道を写真撮影したりと、

のんびりと穏やかに暮らしています。

私には兄がいるのですが、兄家族も子供が3人。

孫は6人に増え、誕生日のプレゼント選びも楽しんでいるようです。

 

鬱だった父から学んだこと

もし父が心のつらさを抱えながらも、外で働き、気丈にふるまい、鬱と診断されることもなければ、私が父に腹を立てることも、父に不快感をおぼえることもなかったことでしょう。

 

しかし、花を育てること、孫をかわいいと思う、どんな子に成長するかと楽しみにする、そして、自分の生き方を見つける。

 

これらの当たり前のことが、どれだけ幸せなことなのか。

私は知ることができなかったはずです。

 

明日、家族が元気でいることは、決して当たり前のことではありません。

大切な家族や自分自身が、壁にぶつかり悩むこともある。

 

時間はかかるかもしれない、でも、必ず向き合える日が来ること

光をとりもどす日が来ること

そして美しいものを美しいと思えること

笑顔で笑いあえることの幸せ

家族がつらい時、私にもできることがあるんだということ

 

私自身が生きていくうえで大切なことを、父から学ぶことができました。

 

鬱になった家族にできること

私が実際に父と暮らし接していて、負担にならず、気分も良かった方法

それは、

 

挨拶

 

 

一番、何も考えず、気楽にできたのが挨拶でした。

 

おはよう

ありがとう

おやすみ など

この言葉たちが、父を傷つけることも(たぶん…ですが)、私の負担になることもありませんでした。

無視をするわけにはいきませんし、

おそらく、「あなたの存在を認めているよ」というメッセージにもなっていたのではと思います。

 

そしてもう一つ、できることがあります。

 

花や緑を飾ること!

父が鬱症状を抱えてから、私自身も気分が落ち込んだり、疲れたり、苛立ちを感じたりすることがありました。

同じように心が重くなってしまったり、

何とかしてあげたいと思うほど、先が見えない不安に襲われる日もあったり。

 

当時は、家の空気がものすごく重く、よどんだ感じ。

何が足りないのだろう?

何があればいいのだろう?

そう考えて出た答えが、光と新鮮な空気、そして色だったんです。

 

家に花や緑を飾ってみてください。

花は家の中に光と色を足し、緑は空気をきれいにしてくれる。

何色でもいい。

目にとまった色の花や緑を選ぶことをお勧めします。

 

落ち込んで苦しい時や、気分がふさいでいる時は、色を見るのもしんどいと感じる時があるのですが、

無理に花を見せたり、世話をお願いしたりする必要はありません。

そっと、花や緑を飾っておくだけで充分。

鬱でつらい家族も、支える家族の心も、癒してくれるはずです。

 

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