こんにちは。長谷川亜由美です。
今夜は、パソコンスクールを開業していた当時の、私の経験談をひとつ。
なにを「正」とし、自身の羅針盤にするかは、人それぞれです。当然です。
ある人にとっては、テキストに掲載してあることが正しく
また、ある人にとっては、それまでの自分の知識が正しい。
だからこそ、インストラクターは
自分の「正」を押しつけてはいけません。
たとえば、キーボードの操作。
入力した文字を、カタカナにする方法は、いくつかあります。
もし、受講生が、テキストと違う方法をとっていても
無理やりテキストに掲載されている方法に、直させる必要はないと、私は考えています。
そのかわり「こんな方法もありますよ」と、アナウンスする。
ときには、この方には不要な情報だ、と判断すれば
アナウンスすらしない。
受講生ひとりひとりを、よく見ていないと
即座に判断はできません。
授業の場で求められているのは、必ずしも「正しいこと」ばかりではなく
受講生の本来の目的を、達成できるかどうかだと思うんです。
みなさん、ただパソコン操作を上達させたくて通っているわけではなく
パソコン操作を上達させたい理由があるから、通っているわけです。
検定に合格したいのなら、検定を主催している会社が推奨している操作方法を、正しく指導する必要がありますが
もし、お孫さんとメールのやりとりをしたいことが、最終目標なら
多少、たどたどしくたって、その方がやりやすい入力方法をご指導します。
PCインストラクターに、技術だけが求められている時代は、とうの昔に過ぎました。
期待を上回る満足感を、どうしたら得ていただけるか。
そのことを真剣に考えれば、正しいことだけがすべてじゃないと、わかると思います。
これからインストラクターになりたい方には、場を読むチカラが、もっとも求められるかもしれません。